真夏の怪談

それは、家のメンテナンスから1ヶ月が過ぎ、8月に入ってすぐでした。

玄関ドアを開けたらすぐ目に入るデッキの支柱に、それまでは気づかなかった小さな傷が。小さく逆Vの字型に木の表面がささくれたように付いた傷は、木の色からしてつい2、3日以内に付いたっぽい。1辺が3?5ミリで、まるで彫刻刀の三角刀で付けたような傷です。

この前日に、旦那がデッキ周辺で廃材を電ノコでカットしていたので、てっきりその時何かやらかしてしまったのかと思い、問い詰めたところ「知らないよ」の答え。

ホントにほんとに?鋸の歯のギザギザが当たったとかじゃない?と思うものの、それにしてはぶつけた時にできる傷も無い。さすがにここまでの傷がついたら、怒られる覚悟で自白するだろうとは思う。

じゃあ、考えたくはないが上にシが付く4文字の木をかじる害虫?((((;゚Д゚)))))))

いやいや、その虫は以前実物が切り株にたかってるの見たことあるけど、こういう齧り方じゃなかった。あとはこの前デッキにゴマダラカミキリがウロウロしてたけど、テッポウムシはこんな跡じゃない。そもそも生木の中に入り込む虫だし。シバンムシがウロウロしてるけど、それとも違う…と、思いつく限りの木材の敵の虫を連想してみたものの、どれとも違う気がする。

↑デッキ支柱の、デッキ床面から腰くらいまでの高さに、一列に逆Vの字の傷。

万が一があると怖いので、写真をサエラホームさんに送信。

「キノコとは違いますか?」

_| ̄|○ ?違いまーす。(出っ張ってるんじゃなくて傷で窪んでまーす)


↑少し上から見ると、木部表面がえぐられてるのがわかります。

虫じゃないなら、これももっと考えたくないがアブナイ人間の仕業か、齧る動物?

丁度来た電気屋さんに聞いてみたけど、「猫が爪研いだんじゃないですか?」

なるほど、でも縦に筋付きませんかねー。と言ってたら、電気屋さんが「あっ、高いところの横っちょにも傷ありますよ」

あれっ?増えてる…いつの間に?え?1階の軒天近く、横方向に渡された木部にも傷が。

イマイチなんだかわからないものの、横向きに付いていたその場所から、猫ではないことがとりあえず判明。以前石鹸をネズミにかじられた時の歯型に似ていたので、もしやネズミが?と推理、本格的に屋内に入られたら困る、と数日後ネズミよけミント臭スプレーを購入、ネズミは同じ道を通るらしいので、その傷に吹きかけたのでした。

そしてその日午後外出時に玄関ドア近くの軒にとまったセミのお尻がモゾモゾ動いているのを見て、何かモヤモヤしたものがありました。

そういえば、セミがこの家の外壁やバルコニー、デッキ周辺によくとまっているのを見て、よほど居心地がいいのかなと思ってました。でも、近くに寄っても逃げないし、数時間とまっていることもあるのは、何故だろう?と。加えて、さっきのセミのお尻の動き、あれはもしや卵…

と、外出先でふとヒラメキました。

↑ザバーと降る雨が打ち付けるバルコニー床になぜかずっといるアブラゼミ。(後で確認したところここには傷はありませんでした)

帰って調べたら、我が家の柱の傷と全く同じものが、画像検索でブリブリ出てくるではありませんか!ならば皆様もご存知の方が多いのではないかと思います。私は今回のことで初めて知ったので、こんな形でブログネタにさせていただいてますが。

どうやらこれらはクマゼミの産卵痕で、雌が先が錐のようになった産卵管を斜めに刺して、卵を産み付けるらしいです。恐ろしく強力な産卵管です。セミが木に産卵して、翌年の梅雨の頃、幼虫が木を伝って地面に降りる、というのは知っていました。でも、まさか家の材にも産むとは… ?(*_*)

以前もっとセミの多い、樹木に囲まれた環境にいた時、ガリバリウム+レッドシーダーの家にこういう傷が付いた事はありませんでした。蝉の種類の違いはあれど、今回どういう条件で我が家が産院としてセミに大人気だったのかは謎です。まだ樹脂香の残る木材だから?それとも外壁の濃い色が、セミの体色を保護色効果としていたのでしょうか?

↑とはいえ白い塗装部分の軒天端の方に沢山産卵痕はあります。ただ外から見えにくい場所ではあります。よく考えてるな?

翌朝よくよく点検してみたら、傷が増えまくってて、あるわあるわ、この日数えただけでも、少なくとも8箇所。(後日また増えてました)綺麗に一列になってるのもあれば、ばらけてるのもあってカウントしづらいですが。前日にセミがとまっていた所にも、勿論。南側の1階軒が圧倒的に多いですが、角のノッチから横に張り出した部分にも。

↓列になってない、イマイチ集中力の乏しい産卵痕。

↓こっちはちょっと木が硬そうです。

「セミは枯れ木などに産む」とありましたが、枯れ木…いや、確かにもう伐られた木だけども。まだヤニが出てるから、傷にヤニが滲み出てきて、卵がおじゃんになるのではとも心配しつつ、中に卵が入ってるとあっては、ペンキ塗るのもなあ、と、なんとなくそのままにしているのです。

確かに前が公園で、セミがワシワシ鳴いてますが、加えててんと生えのナンキンハゼがデッキ前にあり、これにどうもセミがやってくるようでして、来年のセミ産卵を控えてもらうには、一体どうすればと思案中です。

というわけで、何の傷か判明しました。サエラホームさんお騒がせしました。

↑なんでこの場所がそんなにいいのか。というくらいブリブリ産み付けられてます。

柱はともかく、軒の白塗装の細い部分はパーツの幅が狭く、強力なクマゼミの産卵管でそのうち木が割れないだろうか?とちと心配なんですよね。「セミ保険」とか無いのかな… ? 無いですよね。

 

スヌ族

投稿者: スヌ族

修羅の国F県在住。 まだまだ引越しの荷物、片付いてません。

この記事へのコメント

  1. 悩ましい傷痕で、お察しします・・・
    驚きました!ログ材の、しかも塗装してある木材に産卵とは!
    木肌の皮に産卵するならまだ分かりますが・・・
    とんだ災難です(涙) 個人的にはペンキを重ね塗りした気持ちですが・・・

    1. 軒の端は、柱などより木質が柔らかめで、産み付けやすいとセミに判断されたんでしょうか。
      セミから本格的に守ろうと思えば、もう金属板で覆うしか無さそうですが・・・ウーム。
      来年の梅雨の頃には、このあたりをウロウロするアリンコと孵化したての幼虫とのバトルが見られそうです。

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