芸術的な塗装⑤色と順番

もう立秋なんて、O・ヘンリー風に言えば「暦が臆面もなく嘘をつく」としかいいようが無い今年の暑さです。でも東日本は台風13号の影響ですこーし秋の気配なんでしょうか?

さて皆さまは、家の塗装の色はどうやって決められましたか?色の印象はとても強いものなので、ご家族でしっかり話し合った、という方も多いのではないかと思います。

我が家の場合、旦那の強い希望で、壁はイングリッシュウォールナット(焦茶)、ケーシングや破風、軒天は白です。明治の和洋折衷洋館みたいにシックかつ重厚で嫌いじゃないです。なんとなくシャト○ーゼの店舗を連想させはしますが。

でも私は、正直もっと木本来の色を生かせる塗料って無いのかなー、と思ってました。早い話、ほとんど透明なステインみたいな。

北欧によくある、パッキリとした彩度の高い色もそれはそれでいいものですが、どうしてもワビサビを感じたい日本人の感性か、せっかくログを使うのに、自然の木の色や風合いを塗料で塗りつぶしてしまうのは、なんか勿体無い気がしてたんですよね。透明塗料だとしてもテカテカしてなくて、もっとこう、マットで、一見塗ってないくらいの保護剤ってないのかな、と。

しかし旦那が主張するこの重厚なカラーリングにより、そういうネイチャーな志向はあっさり没となりました。ちょっとばかし残念ですが、「木の色は、家の中で存分に楽しめるから」という彼の説得には、一理あるので応じるしかありません。

そして、東京では黒いままだったサンダルが、修羅の国に来て数年で日焼けで薄いグレーに褪色したのを思い出し、確かにこれはしっかり塗った方がいいな…と自分を納得させました。

しかし、焦げ茶と白の組み合わせに、正直一抹の不安を抱いておりました。

それは、お互い塗料のはみ出しなどが目立つ組み合わせだからです。この予感は、思った通り的中してしまいます。

ほらこの通り。焦茶×白は少しでもミスすると目立つ目立つ。

さて、次に塗る順番です。最初に道具を買って、どこから塗るのがいいか、ちょっと迷いました。

塗料の滴れや、養生の手間を考えると高い所、それも軒天等から塗って、下に降りていくのがお利口なのではないかと。

となると白から塗ることになります。で、サエラさんに聞いてみたら、「まずは壁から塗ってください」とのお答え。

まあ確かにこの時点ではまだ白を塗る部分の大工工事が完成ではなかったのもありますし、高所がダメな私が塗るのは低い壁だったのですが、これが間違いでした。

ある時一人で壁を塗っていて、大工のKさんと塗装の話になりました。

Kさん「ほんとは上から塗っていくんですよ。塗った壁に垂れますから。」 

Kさん「破風とか軒天は何色の予定ですか?」

スヌ族「白です」

K さん「…白ですか~白は難しいですよ。こげ茶を先に塗ると、少しでも垂れると目立つし。窓も、しっかり養生しても滲んできますしね」

棟梁さん壁も窓も、難しい色を選びましたね

順番が正反対にもほどがある。これから塗る方はぜひ左の順番で。つーか早く気付けという話ですが。

そうです、過去記事で強力な塗装ムラの写真を晒しましたが、色ムラの見えやすい焦げ茶に、うっかりミスの目立つ対比の強い白。

塗装のど素人にはハードルの高い組み合わせを、わざわざ選んでしまったようです。さらに、マズイ順番での塗装。最低です。

焦茶の壁に垂れた白を削り、焦茶を原液で修正した箇所です。目立つ?心の目で見てください。

まず、少しでも白やグレーの入っている色が壁なら、不透明度が高いので、ここまで塗りムラは目立たなかったと思います。それに、まず高所の白から塗れば、塗り終わった焦げ茶の壁に僅かでも白がたれないように、と気を使って全部を養生しなくて済んだでしょう。(ただ、白の利点は、反射のせいか、多少の塗りムラは気にならないということです。)

塗り終わったこげ茶の壁に垂れた白塗料は、目立つ部分は彫刻刀で削って、焦茶で修正。というのは、白塗料はニュージーランドの塗料とは違い、半ツヤ&厚みが出るため、白の上に焦茶を一回乗せただけでは、透けてしまうからです。この塗料の性質の違いを思うと、先に白から進めたら、安心して盛大に垂らしてしまって、結局その部分にまたサンダーをかけていたかもしれません。

8割方進んだ今となっては、どちらが良かったのか…ですが、白を先に塗った箇所はやはりラクだったので、これからの方はどうぞ同じ轍を踏まないようにしていただければ。

白塗料を垂らすと後の修正が大変と思い知った旦那は、こんな風に壁全体を養生することになりました。ドラクエなら『経験値が上がった!』と表示が出そうですが、すっげー手間。

めでたく軒天と破風が終わり、壁の養生を取ったところ。これで、ドーマー以外の高所作業は、ひとまず終了です。

梅雨明け以降は、猛暑日の中もうほとんど毎日のように塗装しましたが、それでもドーマーの両側は、どーしても塗れない。(物理的、技術的に)いや、これ、ホントどうやったら届くの…?屋根の傾斜も急だし、すっかり俊敏さの衰えた腰痛持ちと高所恐怖症の50肩のど中年コンビには、難攻不落の城の天守閣です。

もうここは、申し訳ないけど、澤本さんにお願いして、最後に大工さんに一緒に手伝ってもらおうと目論んでおりましたら、ある日社長さんからメールが。

「 そ ろ そ ろ 足 場 を 解 体 し ま す」

ひえええええ~ お、お慈悲を~

いえ、確かに足場は4ヶ月契約という話は聞いておりましたから。焦ってはおりましたが。

塗る場所にそもそも手が届かない、足場を組み直してほしい、ということを、もう少し早く言っておけばよかったと思ういろいろ後手後手なダメな施主です。

大工さんが最後の作業に来福されるのが、10日。どれだけ追い込めますやら。

スヌ族

投稿者: スヌ族

修羅の国F県にただいま建築中(2018年4月現在)。 すっかり筋力の衰えた夫と高所恐怖症の妻による、恐怖の外壁塗装が始まったばかりです。

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